歴代代表挨拶

4期代表 岡野心咲 大塚真人

晩秋の折、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

この度、若者団体komuradoの新代表を務めることになりました岡野心咲・大塚真人です。日頃より、komuradoの活動にご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。 きしょうこども食堂様・NPO法人レインボーリボン様・認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク様の皆様には、弊団体メンバーによる現場活動を見守っていただいていますこと、感謝の言葉もございません。

我々komuradoは、「子どもの貧困解決に種をまく」という活動理念のもと、現場活動を通じて、社会課題解決を担う若者の輪の拡大を目指しております。

さて、近年、子どもの貧困問題は世界各国はもとより、わが日本においても深刻化しております。最新の調査では、日本国内における貧困世帯の子どもたちの数が依然として高止まりしており、特に一人親家庭や多子世帯における経済的困難が顕著となっています。さらに、コロナ禍の影響が尾を引き、教育機会の不平等が広がる中で、子どもたちの将来への不安が増している現状は、憂慮すべき課題です。

こうした状況のなか、我々komuradoは、これまで以上に現場での活動を大切にし、提携する4つの拠点を通じて、子供たちへの支援を行ってまいりました。食の支援や学習支援を軸とし、ボランティアの方々とともに、子どもたちが安心して未来を描けるような環境を作り出せるよう努めております。まだまだ至らぬ点も多い我々ですが、多くの方々に支えられながら活動ができていることを改めて実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。

この秋に新体制となり、我々も活動を再び見直す機会を得ました。私たちの活動が未来の子どもたちのための「種まき」となり、それらがいつか芽吹き、彼らの未来を支える確かな力となることを願っております。4年目を迎え、「より多くの子どもたちの笑顔を守りたい」という思いをメンバー各人が再確認し、さらなる支援に邁進する所存です。
結びに、この場を借りて皆様の温かいご支援に改めて感謝申し上げるとともに、引き続き子どもの貧困問題解決に向けた我々の取り組みにご協力いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

関係者の皆様や、komuradoの活動を応援していただいている皆様には、引き続き変わらぬご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

 

2024年11月7日

若者団体komurado代表 岡野心咲 大塚真人

 

 

3期代表 川岡淳

お世話になっております。
若者団体komurado代表、川岡淳でございます。
立冬を過ぎ、漸く寒さが深まり始めてまいりました。皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、若者団体komuradoは、2023年11月7日で2周年を迎えました。

日頃よりkomuradoの活動を支えてくださっている皆様には、心より御礼申し上げます。

きしょうこども食堂様・NPO法人レインボーリボン様・認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク様の皆様には、弊団体メンバーによる現場活動を見守っていただいていますこと、感謝の言葉もございません。

komuradoは、「子どもの貧困解決に種をまく」をモットーに、現場活動を通じて、社会課題解決を担う若者の増加を目指しております。
団体理念等についてはホームページに詳しく記載がございますが、本年度4月より、私が代表を務め始めてからは、「謙虚な学び」を新たにスローガンとして掲げております。

「謙虚な学び」というと、座学重視のような印象を持たれるかもしれません。
実際、月に一度団体内で開催する全体会では、「子どもの貧困」という問題を考察するための様々な観点を少しずつ紹介して、メンバーと一緒に勉強しています。
経済学・心理学・法律・教育社会学・福祉学…
一口に貧困問題と言っても、理念や権利をむやみに主張するのみであったり、偏った視点から分析・批判するのみであったりでは、人々の理解を得ることはできません。一人で全ての学問に精通することは不可能ですが、多様な学問を覗き見しておくことは、どのような社会課題解決に取り組む際にも、有益であると考えています。

しかしながら、決して座学重視に舵を切ったというわけではございません。
komuradoはあくまで、現場活動に重きを置く団体でございます。
「謙虚な学び」というスローガンは、現場で子どもたちとふれあうことを、大いに念頭に置いているものです。ここで、日頃よりメンバーに話している例え話を、お披露目させていただきたいと思います。

とある大学生のユウキさんが、初めて子ども食堂にお手伝いに行くことになりました。
ユウキさんは「子どもたちはみんな、カレーが一番好きだろう」と思っていました。その日の子ども食堂のメニューはちょうどカレーで、子どもたち全員大喜びだと確信しながら、完成したカレーを配りました。
その時、ユウキさんは1人の子どもが浮かない顔をしていることに気がつきます。「どうしたの?」と尋ねると、「僕はカレーがあんまり好きじゃないんだ。」と答えます。ユウキさんはびっくりして、「そしたら、なんの食べ物がいちばん好き?」と聞くと、子どもは「ハンバーグ!」と答えました。
ユウキさんは家に帰って、「子どもは皆、カレーを一番好きだと思っていたけれど、カレーが一番好きな子と、ハンバーグが一番好きな子がいたよ!子ども食堂に行って、勉強してきたんだ!」と、親に自慢しました。

ユウキさんは確かに、一つの学びを得たかもしれませんが、これでは「謙虚な学び」でありません。
気がつくべきであったのは、ただ「ハンバーグが好きな子もいた」ことではなく、自分の先入観とは異なる子どもがいて、「子どもは〇〇が好きなものだ」という固定観念が通用しなかったことです。
「カレーが一番好きな子もいればハンバーグが一番である子もいるように、唐揚げが一番の子もサラダが一番の子もいるかもしれない。」と想像を巡らすことが大切でしょう。

この「カレーの話」はあくまで1つの例え話です。
勉強を教えていて、スマホをいじりたいと言う子に、5分間触るのを許してあげたら、その後は集中して取り組んでくれた。
折り紙をしていて、子どもより上手に鶴を折ったら、子どもがすねてしまった。
ヤングケアラーの子どもの苦労話を聞いたら、「話を聞いてくれてありがとう!心が楽になったよ」と喜んでくれた。

子どもと関わる中で、メンバーは様々な体験をしますが、全ての経験は、そのまま他の子どもに当てはめた時、うまくいく場合もあれば、いかない場合もあります。学問領域や学派によって、正解が異なることと同じです。
だからこそ、各支援拠点によって、子どもと触れ合う際のルールも異なります(例えば、ボランティアの大学生から子どもの身体に触れる行為の可否など)。その中で、複数の現場に伺うことができるのが、komuradoの学びの場としての存在意義です。

自らの理性に対する過信が、罪になりうることを強く自覚しながら、社会課題とむきあうこと、これが「謙虚な学び」でございます。

さて、若者団体komuradoが、現場活動を通じて大いに学び、悩むための場となり、社会課題解決を担う若者の輪が広がっていくことを願って、筆を置くことと致します。

関係者の皆様や、komuradoの活動を応援していただいている皆様には、引き続き変わらぬご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

 

2023年11月16日

若者団体komurado代表 川岡淳

1,2期代表 鬼嶋優希

若者団体komurado(こむらど)は、この日本社会に長く存在してきた子どもの貧困や教育格差という社会課題に対して、若者が自分の心と体を動かし、アクションを起こしていく団体です。日本から子どもの貧困や教育格差といった社会構造的な問題の課題解決を目指すには、より多くの若者が現状を正面から受け止め、社会のあらゆる方面から挑むことが必要です。そのための場所と、ともにエンパワーメントし合える「同志」がこむらどにはあります。

子どもの貧困や、それに伴う教育格差の問題は、非常に深刻です。しかし、この社会課題は、家庭における虐待やネグレクト、学校における不登校やいじめ、さらに言えば、経済や社会制度、文化などのあらゆる領域が複雑に交差する問題です。しかし、それと同時に、問題が複雑であるからこそ、あらゆる面から、それぞれの関わり方でこの問題に挑むことができるとも言えます。日本から子どもの貧困をなくすには、各方面から構造的社会改革を担う存在が不可欠だと、私たちは考えています。そのためには、近い将来、社会で活躍する若者がこの問題と向き合いながら、頭だけでなく心を動かす過程を通じて、”真”に当事者化されることが大切です。

しかし、現実社会はどうなっているでしょう。子どもの貧困の現状が知られてすらいなかったり、「その子の努力が足りないんでしょ」と自己責任論で片付けられたりと、一言で言えば、分断されてしまっているのが、今の社会ではないでしょうか。一方で、社会の変革を担う若者を生み出す大学世界は、同質性が高い集団です。普通に生きていれば、「子どもの貧困」になんて出会わずに通り過ぎるのかもしれません。そんな大学世界を少しでも変化させたい、その思いを、このこむらどに託しました。

ただ、「子どもたちを助けてあげよう」というような声をあげるつもりはありません。そこには、すでに助ける私たちと、助けられる子どもたちの間に分断が起きています。さまざまな問題を抱える子どもたちも、若者の私たちも、同じ社会に住む人間です。社会とは何か、教育とは何か、生きるとは何か、こむらどは、もっと大きな枠組みで社会に疑問を投げかけます。若者自らが動きます。その過程で、見過ごしてきた、もしくは全く見えていなかった層の子どもたちと私たちの間に、何かが生じます。繋がりが生まれます。それが、「真の当事者化」と呼ばれるかもしれませんし、別のものかもしれません。しかし、そうしたものに繋がる活動を考え、若者の頭と心を動かすactionを起こしていくのが、ここ、こむらどです。

こむらどの目的は、大きくなることでも、有名になることでもありません。こむらどの理念にもあるように、社会構造的改革を担う若者を増やすには、子どもの貧困に挑むコアが都内に、そして日本に多く存在する必要があります。こむらどで見つけた観点や、それぞれの好きな切り口で、新しく団体を立ち上げたり、自分の地域で活動を始めたり、ボランティアに参加したり、そうやってこむらどから輪が広がっていくことが私たちの願いです。少し寂しい言い方ですが、ここにずっといなくていいんです。それぞれの活動を、お互いに心から応援している、そんな同志が集まる場所です。

現場での経験は貴重なものですが、社会人になる前の練習の場や自尊心を高める場としてあるのではありません。

こむらどで起こすactionの一つ一つに可能性があり、それ自体に価値があるのです。今こそに価値をおき、目の前の問題一つひとつに向き合う姿勢こそが、共感で終わらない行動に繋がり、社会を変えます。


2021年11月7日

若者団体komurado代表 鬼嶋優希